痔瘻(じろう)とは?原因・症状・診断を赤羽の肛門専門医が解説|北区、板橋区、川口市で肛門科・消化器内科・内視鏡検査は赤羽胃腸肛門クリニック

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痔瘻(じろう)とは?原因・症状・診断を赤羽の肛門専門医が解説

2026.06.11
肛門外科コラム

痔瘻(じろう)とは?
原因・症状・診断をわかりやすく解説

監修:赤羽胃腸肛門クリニック 院長 葛岡 健太郎

「痔瘻(じろう)」という言葉を聞いたことはありますか?「痔」とひとことで言っても、いぼ痔(痔核)・切れ痔(裂肛)・あな痔(痔瘻)の3種類があり、それぞれ原因も症状も治療法も異なります。この記事では、肛門周囲に膿がたまり、トンネル状の通り道ができてしまう「痔瘻」について、わかりやすく解説します。

痔瘻ってどんな病気?

肛門の内側には「肛門陰窩(こうもんいんか)」という小さなくぼみがあります。このくぼみから細菌が入り込み、肛門の周りに膿(うみ)がたまった状態を「肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)」といいます。

この膿が自然に、あるいは手術によって排出された後、膿の通り道が残って管(くだ)のようになってしまったものが「痔瘻」です。肛門の内側と皮膚の外側がトンネルでつながっている状態で、自然に治ることはほとんどありません。

どのくらいの人がなるの?

欧米のデータでは10万人あたり5〜20人程度とされています。日本でも30〜40代の比較的若い世代に多く見られる病気です。男性に多く、女性の2〜5倍程度の頻度で発症します。ただし、肛門の前方(おへそ側)にできる痔瘻は女性に多いという特徴があります。また、乳幼児にできることもあります。

なぜ痔瘻になるの?

多くの場合、肛門の内側にある小さな腺(肛門腺)に細菌が入り込んで感染することが原因です。ただし、以下のような病気が関係している場合もあります。

  • クローン病(腸の慢性炎症性疾患)
  • 結核
  • HIV感染症
  • 裂肛(切れ痔)からの二次感染

どんな症状が出るの?

🔴 肛門周囲膿瘍(痔瘻になる前の段階)
  • 肛門の周りが突然痛くなる・赤く腫れる
  • 発熱や全身のだるさを伴うこともある
  • 深い場所に膿がたまると、お尻の奥や腰に鈍い痛みが出ることも
🟡 痔瘻になった後
  • 肛門の外の皮膚に小さな穴(二次口)ができ、膿が出続ける
  • 一時的に穴がふさがり、また腫れて膿が出るを繰り返す
  • 痛みよりも「膿が出る」「下着が汚れる」という症状が主なことが多い

似た症状の病気との見分け方

痔瘻と似た症状を起こす病気もあります。皮膚の感染症(単純ヘルペス・梅毒・膿皮症など)や、クローン病に合併した病変などとの区別が必要です。特に以下のような場合は、腸の精密検査が必要になることがあります。

  • 複数の穴が同時にできている
  • 肛門の周りに特徴的な皮膚のたるみ(皮垂)がある
  • 治療しても繰り返す

どうやって診断するの?

視診・指診・肛門鏡検査

まず目で見て(視診)、肛門の周りの腫れや膿の出口(二次口)を確認します。指で触れると(指診)圧痛(押したときの痛み)や筋状の管を感じる部分があります。また、肛門鏡という器具を使って肛門の内側にある膿の入り口(原発口)を確認します。

画像検査

症状や病変の広がりに応じて、以下の検査が行われることがあります。

  • 経肛門的超音波検査
    肛門から超音波のプローブを入れて膿の場所や広がりを調べます。体への負担が少なく、素早く検査できます
  • CT検査
    深い場所にある膿瘍の診断に有用です
  • MRI検査
    より複雑な痔瘻の診断に優れており、管の走行を詳しく把握できます
📋 この記事のまとめ

  • 痔瘻は肛門内の細菌感染が原因でできる「トンネル状の管」です
  • 30〜40代の男性に多く見られます
  • 「膿がたまる→排出→また繰り返す」という経過をたどります
  • 自然治癒はほぼなく、手術が基本の治療になります
  • MRIや超音波などで管の走行をしっかり調べてから治療方針を決めます
📖 参考文献
日本大腸肛門病学会(編):肛門疾患・直腸脱(痔核・痔瘻・裂肛)診療ガイドライン 2020年版 改訂第2版.南江堂,2020.
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