痔核(いぼ痔)の治療法
保存的治療から手術まで専門医がわかりやすく解説
監修:赤羽胃腸肛門クリニック 院長 葛岡 健太郎
痔核の治療は症状の程度で決まる
痔核の治療は、まず痛みや腫れを和らげる「保存的治療」から始めます。脱出(脱肛)が重度の場合や、保存的治療を続けても出血が止まらない場合は、外科的な治療(手術)が必要になります。
保存的治療(手術をしない治療)
生活習慣の改善
痔核の治療において、生活習慣の改善はとても重要です。以下のことを心がけましょう。
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水分と食物繊維をしっかり摂る
便を柔らかく保つことで、排便時の負担を減らします -
アルコールの飲みすぎに注意する
肛門周辺の血管を拡張させ、痔を悪化させます -
強くいきまない・長時間トイレに座らない
便意を感じてからトイレに行く習慣をつけましょう -
長時間の座り仕事や体・おしりの冷えを避ける
血流が滞ると症状が悪化しやすくなります -
患部を温める
血の塊(血栓)ができて腫れている場合は、座浴や入浴で温めると痛みや腫れが和らぎます
薬物療法(塗り薬・座薬・飲み薬)
薬物療法は腫れ・痛み・出血を和らげる効果があります。ただし、慢性的な脱出(脱肛)そのものを根本的に治す効果はありません。
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ステロイド含有薬
炎症が強い急性期に効果的です。長期使用で皮膚炎などの副作用が起きることがあるため、医師の指示に従って使用してください -
局所麻酔薬配合の外用薬
痛みを和らげます -
抗炎症成分配合の外用薬
腫れや浮腫(むくみ)を緩和します -
止血成分配合の外用薬
出血症状を抑えます -
フラボノイド系内服薬
痛み・腫れ・出血の改善効果が報告されています。妊娠中の方は安全性が確認されていないため、必ず医師に相談してください
外科的治療(手術・処置)
保存的治療で改善しない場合や、脱出が重度の場合は外科的な治療を行います。
最も一般的な痔核の手術です。痔核の根元にある血管を縛ったうえで切除します。重度の痔核(排便後に指で押し戻す・排便時以外も脱出する状態)に幅広く対応でき、血栓性外痔核や痔瘻・裂肛を合併している場合にも対応可能です。
内痔核の根元に小さなゴム輪をかけて血流を止め、痔核を自然に脱落させる方法です。順調に経過した場合、痛みがほとんどなく、外来(日帰り)で処置できます。血液をサラサラにする薬(抗血栓薬)を服用中の方は出血リスクが高まるため、事前に必ずお伝えください。
簡便な外来処置に聞こえますが、実際には「適応となる症例が軽い痔核に限られること」と「術後出血や疼痛発生時の問題」があり、当院では行っておりません。
注射によって痔核の血流を低下させたり、組織を固めて脱出を改善させる方法です。
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フェノールアーモンドオイル注射
出血を主な症状とするグレードⅢまでの内痔核に適しています -
ALTA療法(ジオン注射)
痔核の脱出と出血を改善する効果があり、グレードⅡ・Ⅲの内痔核に適しています。発熱・直腸潰瘍・腹痛などの副作用が起きることがあります
専用の器具を使って痔核の上の直腸粘膜を環状に切除・縫合する手術です。脱出した肛門クッションを引き上げて固定するとともに、痔核への血流を遮断して縮小させます。全周性の内痔核や粘膜脱に向いています。まれに重篤な合併症(直腸穿孔)が起きることがあります。
症状や状態に応じて、以下のような術式が選択されることもあります。
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分離結紮法
痔核の根元を縛って壊死・脱落させる古典的な方法です -
肛門クッション吊り上げ術(Anal cushion lifting法)
肛門クッションを本来の位置に戻す手術です -
経肛門的動脈結紮法
痔核に流れ込む動脈を数ヵ所縛る方法です -
粘膜固定術(MuRAL手術)
痔核組織を縦に縫縮して固定する、2018年に報告された比較的新しい術式です
市販薬だけで対処し続けると症状が進行し、手術が必要になったり、癌の見落としにつながるケースもあります。「出血が続いている」「脱出するようになった」「痛みが強い」などの症状がある方は、早めに専門医へご相談ください。
- 痔核の治療は「保存的治療」と「外科的治療」の2種類がある
- まずは生活習慣の改善と薬物療法から始める
- 脱出が重度・出血が改善しない場合は手術が必要になる
- 手術にはいくつかの種類があり、症状に合わせて選択する
- 早めの受診が症状の悪化を防ぐことにつながる
日本大腸肛門病学会(編):肛門疾患・直腸脱(痔核・痔瘻・裂肛)診療ガイドライン 2020年版 改訂第2版.南江堂,2020.
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北区赤羽・十条・浮間舟渡周辺にお住まいで、いぼ痔・切れ痔などお尻の症状でお困りの方は、お一人で悩まず赤羽胃腸肛門クリニックにご相談ください。出血・痛み・脱出感・かゆみなど、どんな症状でも適切な診察と治療・生活指導で改善をサポートします。
