「トイレのたびに痛みが走る」「トイレットペーパーに血がつくけれど、恥ずかしくて相談できない」……。そんな悩みを一人で抱えていませんか?
切れ痔(裂肛)は、初期段階であればお薬や生活習慣の改善で治ることが多い病気です。しかし、「たかが切れ痔」と放置してしまうと、傷口が深く硬くなり、肛門が狭くなるなど慢性化し、最終的には手術が必要な状態へ進行してしまうこともあります。
この記事では、北区赤羽・十条・浮間舟渡エリアの皆様に向けて、切れ痔の原因から最新の治療法、そして「手術が必要になる基準」まで、専門医の視点でわかりやすく解説します。
切れ痔(裂肛)とは
切れ痔(裂肛:れっこう)とは、肛門の皮膚や粘膜に裂け目が生じる状態です。硬い便を無理に出そうとしたときや、下痢で肛門周囲が刺激されたときなど、肛門に強い負担がかかることで起こります。成人の一定割合が経験するとされ、決して珍しい病気ではありません。
肛門の出口付近は知覚神経が非常に敏感な場所であるため、小さな傷でも強い痛みを感じるのが特徴です。痛みがあると肛門の筋肉(内肛門括約筋)がこわばり、便が出にくくなってさらに傷が悪化する、という「負のスパイラル」に陥りやすい点も重要です。肛門の後ろ(背中)側、次いで前(おなか)側にできることが多いとされます。
こんな症状でお困りではありませんか?(チェック項目)
まずはご自身の状態を確認してみましょう。一つでも当てはまるものがあれば、症状が進行している可能性があります。
〇 排便時に「ピリッ」とした痛みや、激痛を感じる
〇 排便後もしばらく(数分〜数時間)じわじわとした痛みが続く
〇 トイレットペーパーに少量の鮮血がつく
〇 便秘がちで、いつも便が硬い
〇 痛いのが怖くて、トイレに行くのを我慢してしまう
〇 肛門に「いぼ」のような突起物(見張りイボ)ができている
〇 以前よりも便が細くなった気がする
これらは切れ痔のサインです。特に「排便後も痛みが続く」「便が細い気がする」「同じ場所が何度も切れる」といった場合は、慢性化が進んでいる可能性があります。慢性化すると、見張りイボや肛門ポリープを伴ったり、肛門が狭くなったりすることがあります。

切れ痔の原因と診断:なぜ切れて、どうやって調べるのか
切れ痔になる主な原因
切れ痔の最大の原因は、「便の状態」と「排便習慣」にあります。
便秘と硬い便
水分が足りず硬くなった便が、無理やり肛門を通る際に粘膜を傷つけます。
下痢
意外かもしれませんが、激しい下痢も原因になります。勢いよく下痢便が出る際の圧力や、肛門への刺激のためです。
肛門の緊張
ストレスや過去の痛みへの恐怖、習慣的ないきみから、肛門の筋肉(括約筋)が過剰に緊張していると、出口が広がりにくくなり、より切れやすく、治りにくくなります。慢性化では筋肉のけいれん(攣縮)が関与して痛みが長引くこともあります。
当院での診断方法
「お尻を見せるのが恥ずかしい」「男性医師と1対1は…」という不安を払拭できるよう、当院ではプライバシーに最大限配慮し、女性患者さんには必ず女性スタッフが同席して診察を行っています。
問診・視診
まずはいつから、どのような痛みがあるかをお伺いし、外側から傷の有無を確認します。
指診
医師が指で優しく触れ、肛門の筋肉の緊張や、内部に異常がないかを確認します。
肛門鏡・直腸鏡検査
専用の器具を使い、内部の状態を詳しく観察します。「痛そう」と不安になる方も多いですが、当院では専用のゼリーを使い、できるだけ痛みを感じないように状態に応じて検査の方法を調整して行いますのでご安心ください。
これらの診察により、今の切れ痔が「お薬で治る段階(急性)」なのか、「同じ場所が繰り返し切れて傷が深くなりやすい慢性」なのか、「手術を検討すべき段階」なのかを正確に判断し治療方針を示します。
切れ痔の手術が必要になるケースとは?
多くの切れ痔は、お薬(軟膏や座薬)と便通管理で改善します。しかし、以下のような場合は手術が検討されます。
肛門狭窄(こうもんきょうさく)
何度も切れては治るを繰り返した結果、傷跡が「ケロイド」のように硬くなり、肛門の伸び縮みが悪くなり、狭くなってしまった状態です。狭い肛門はさらに切れやすく、悪循環を断ちに切りにくくなります。
見張りイボ・肛門ポリープ
炎症によって生じた突起が大きくなり、外側にできた見張りイボや内側にできた肛門ポリープが排便の邪魔をしたり、違和感が強かったりする場合です。
随伴裂肛
脱出する痔核(いぼ痔)に周囲が引っ張られて切れている場合です。
薬物療法で改善しない激痛
括約筋の手緊張はけいれんが関与して、日常生活に支障が出るほどの痛みが続き、内服や座薬による保存的治療では限界がある場合です。
手術と聞くと怖く感じるかもしれませんが、日帰りで行える低侵襲もあります。手術の目的は、「切れて痛い→排便を我慢→便秘・硬便→さらに切れる」という悪循環を断ち切り、肛門が無理なく排便できる環境を整えることです。
当院でできること:切れ痔の治療と手術内容
当院では、患者様の状態に合わせ、保存的治療や負担の少ない以下の術式を提案しています。治療後も再発を繰り返さないために、切れ痔の予防の基本である、便をためず、程よい柔らかさの便を保ち、排便時間を長くしないことはとても重要です。
1. 側方内肛門括約筋切開術(LSIS)
切れ痔が慢性化して括約筋の緊張が強い場合、肛門が広がりにくく再発しやすくなります。LSISは内肛門括約筋の緊張を和らげ、肛門が無理なく広がる環境を整えることを目的とした手術です。狭窄の再発予防の一環として、他の術式と組み合わせることもあります。
内容:過剰に緊張している内肛門括約筋の一部をごくわずかに切開し、筋肉の緊張を和らげます。
メリット:肛門が適切に広がるようになるため、排便時の痛みが劇的に改善し、再発しにくい状態を作ります。短時間で終わる比較的負担の少ない処置です。
2. 皮膚弁移動術(SSG)
慢性化した切れ痔が深い溝のようになっている場合や、狭窄を伴う場合に検討します。硬く治りにくい部分を切除し、再び狭くなりにくい形を目指します。状態によりLSIS法を併用することもあります。
内容:狭くなった部分の瘢痕(硬くなった組織)を取り除き、周囲の元気な皮膚をスライドさせて移植することで、肛門を正常な広さに広げます。
メリット:根本的に肛門の通りを良くするため、長年の悩みから解放される方が多い術式です。
3. 見張りイボ・肛門ポリープの切除
切れ痔の炎症でできた外側の突起(見張りイボ)や、内側のポリープが排便の邪魔をしたり、違和感の原因になっている場合に、これらをきれいに切除します。
当院では、「小さな病変も見逃さない」精密な診断に基づき、必要最小限の処置で最大の効果を得られるよう努めています。
ご気軽にご相談ください
「お尻の悩みは、誰にも言えなくて当たり前です。でも、一人で悩む時間はとても辛いものです。」
切れ痔は、早めに対策を打てば手術をせずに治せる可能性がぐんと高まります。症状を繰り返すほど慢性化しやすく、見張りイボ・肛門ポリープ・肛門狭窄などにつながることがあるため、違和感が続く場合は早めの受診をおすすめします。もし今、排便のたびに不安を感じているのであれば、一度お話を聞かせてください。
北区赤羽、十条、浮間舟渡周辺にお住まいで、切れ痔やお尻の症状でお困りでしたら、赤羽胃腸肛門クリニックまでご気軽にご相談ください。
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