直腸肛門周囲膿瘍とは?

直腸肛門周囲膿瘍は、肛門や直腸の周辺に膿が溜まり、激しい痛みや不快感を引き起こします。
放置すると重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、早期発見と適切な治療が重要です。
肛門周囲の痛み、発赤、腫れなどの症状が現れた場合は、北区赤羽にある赤羽胃腸肛門クリニックへお早めにご相談ください。
手術後は膿が抜け、たまりがトンネルとなり、あな痔(痔瘻)と呼ばれる状態になります。
こんな症状でお困りではありませんか?
- 肛門のまわりが腫れて座るのも痛い
- 肛門周囲に強い痛みがあり、歩行も困難
- 38℃以上の発熱が続いている
- 肛門のまわりが赤く熱を持っている
- 座ると痛みが増強する
- 膿が自然に出てきた
- 痛みで夜眠れない
- 抗生物質を服用しても改善しない など
直腸肛門周囲膿瘍の原因
直腸肛門周囲膿瘍は、以下のような複数の要因から発生します。
肛門腺の感染
肛門管内部には多数の腺があり、これらの腺が何らかの原因で塞がれたり感染したりすると、膿瘍を形成する可能性があります。細菌が腺に侵入して、膿瘍が発生します。
免疫力の低下
過労やストレスによる免疫力の低下により、感染しやすい状態となります。特に不規則な生活習慣や睡眠不足、過度な飲酒は免疫力を低下させる原因となります。また、糖尿病などの基礎疾患がある方も感染しやすい傾向にあります。
外傷や損傷
肛門周囲の外傷、いぼ痔(痔核)やあな痔(痔ろう)の手術後、あるいは便秘や下痢による肛門粘膜の損傷などが、感染の入り口となることがあります。
基礎疾患
糖尿病や炎症性腸疾患(クローン病や潰瘍性大腸炎)などの基礎疾患がある場合、膿瘍を形成しやすくなります。特に若い方の場合は、クローン病との関連性が指摘されており、より詳しい検査が必要となることがあります。
直腸肛門周囲膿瘍の検査・診断
視診・触診
肛門周囲の腫れや発赤、熱感などを確認します。痛みを伴う場合が多いため、慎重に行います。また、膿瘍の位置や大きさ、硬さなども詳しく診察します。患者様の痛みに十分配慮しながら、できるだけ負担の少ない方法で検査を進めてまいります。
肛門エコー
膿瘍の大きさや位置、深さを正確に把握します。特に深部の膿瘍の場合、手術方法の決定に重要な情報となります。また、盲目的な切開によるあな痔(痔ろう)予防するためにも、詳細な状態の把握が必要です。
血液検査
炎症の程度や全身状態を確認します。特に発熱を伴う場合は、感染の程度を正確に把握することが重要です。また、糖尿病などの基礎疾患の有無も確認して、最適な治療方針の決定に役立てます。
直腸肛門周囲膿瘍の治療
切開排膿
治療の中心となるものです。局所麻酔下で小さな切開を加え、膿を排出します。多くの場合、日帰りでの処置が可能です。早期に治療を行うことで、枝分かれをしたり、奥に伸びる複雑なあな痔(痔ろう)への進行を防ぐことができます。未治療の場合、全身に感染が広がり致命的となる可能性があります。手術後は膿が抜け、たまりがトンネルとなり、あな痔(痔瘻)と呼ばれる状態になります。
抗生物質による治療
直腸肛門周囲膿瘍に対する治療の基本は手術です。抗生物質は単独では不十分で、手術後に、感染の程度に応じて、適切な抗生物質を使用します。特に発熱を伴う場合や、糖尿病などの基礎疾患、心臓弁膜症がある場合、抗生物質による治療も重要となります。他にも軟膏や入浴と組み合わせることで、より確実な治療効果が期待できます。