裂肛(切れ痔)とは?
原因・症状・治療法を赤羽の肛門専門医が解説
監修:赤羽胃腸肛門クリニック 院長 葛岡 健太郎
裂肛(切れ痔)ってどんな病気?
裂肛とは、肛門の出口付近の皮膚(肛門上皮)が切れたり、ただれたりした状態のことです。「切れ痔」「裂け痔」とも呼ばれます。
多くは肛門の後ろ側に起こります(全体の約8割)。女性の場合は前側に起こることもあります。
最初は浅い傷ですが、繰り返したり長引いたりすると傷が深くなり、慢性化していきます。
慢性化したときの「3つのサイン」
切れ痔が慢性化すると、次の3つが揃って見られることがあります。これを「慢性裂肛の3徴(さんちょう)」といいます。
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裂肛……傷そのもの
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肛門ポリープ……傷の内側(体の中側)にできる、ふくらみ
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見張りイボ(肛門皮垂)……傷の外側にできる、皮膚のたるみ
どんな症状が出るの?
切れ痔の症状は、おもに次の2つです。
切れ痔の最大の特徴は痛みです。排便の最中や排便後に痛みが出て、ときに数時間続くこともあります。「トイレのあと、ヒリヒリ・ズキズキする」という訴えが典型的です。
出血は少量のことがほとんどです。鮮やかな赤い血がトイレットペーパーに少しつく程度のことが多く、ポタポタ垂れるような大量出血はあまりありません。
なぜ切れ痔になるの?
切れ痔の原因は、大きく2つの考え方があります。
① 便の通過による傷
硬い便や太い便、下痢便が通るときに、肛門の皮膚が傷つくという考え方です。実際、切れ痔の患者さんには便秘や下痢の方が多いことがわかっています。
② 血流不足(虚血)
肛門の筋肉(内肛門括約筋)が緊張しすぎると、肛門の圧力が高くなります。すると肛門の皮膚に向かう血流が悪くなり、傷が治りにくくなる——という考え方です。
実際、肛門の筋肉の緊張をゆるめて圧力を下げると、血流が増えて切れ痔が治ることがわかっています。「痛い→筋肉が緊張する→血流が悪くなる→治りにくい」という悪循環が、切れ痔が長引く大きな理由です。
どうやって診断するの?
切れ痔は、症状の問診とお尻の診察で診断できます。
おしりを軽く広げて目で見たり(視診)、肛門鏡という器具で傷を確認したりします。慢性化した場合は、前述の「3徴(傷・ポリープ・見張りイボ)」が見られます。
注意が必要な場合
傷の形がいびつ、なかなか治らない、複数できているといった場合は、ほかの病気が隠れていることがあります。クローン病などの腸の病気、感染症などとの区別のため、詳しい検査が必要になることがあります。
切れ痔の治療法
切れ痔の治療は、まず生活改善などの「保存的治療」が基本です。手術はあくまで最終手段と考えます。
① 生活改善(保存的治療)
排便後は、強くこすらず、座浴(おしりを温かいお湯につける)やシャワーでやさしく洗いましょう。紙でゴシゴシ拭くのは逆効果です。温かいお湯につかる「温座浴」で、急性の切れ痔の多くが改善したという報告もあります。
便秘も下痢も切れ痔の大敵です。
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食物繊維をしっかりとる
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肉類のとりすぎに注意
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冷たい飲み物・アルコール・香辛料のとりすぎに注意(下痢予防)
痛みや炎症をやわらげる軟膏を使うこともあります。ただし、軟膏よりも「食物繊維+温座浴」のほうが効果的という報告もあり、生活改善がとても大切です。
② 筋肉をゆるめるお薬
肛門の筋肉の緊張をゆるめ、圧力を下げるお薬もあります(※日本では保険適用外のものもあり、海外で使われています)。
③ 手術
生活改善などで治らない場合は、手術を検討します。手術の目的は、緊張しすぎた筋肉をゆるめて、肛門の血流を改善することです。
おもな手術には、次のようなものがあります。
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側方内肛門括約筋切開術(LSIS)
緊張した筋肉の一部を切ってリラックスさせる -
肛門形成術(皮弁移動術)
肛門が狭くなっている場合に、皮膚を移動して広げる
どの治療を選ぶかは、症状や肛門の状態(狭くなっていないか、筋肉の緊張具合など)をみて決めていきます。
- 裂肛(切れ痔)は、肛門の出口の皮膚が切れた状態です
- 排便時の「痛み」と「少量の赤い出血」が特徴です
- 便秘や下痢、肛門の筋肉の緊張による血流不足が原因になります
- 治療は、まず生活改善(清潔・食事・座浴)が基本です
- 治りにくい場合は、お薬や手術を検討します
- 長引く・繰り返す場合は、ほかの病気がないか検査することもあります
日本大腸肛門病学会(編):肛門疾患・直腸脱(痔核・痔瘻・裂肛)診療ガイドライン 2020年版 改訂第2版.南江堂,2020.
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北区赤羽・十条・浮間舟渡周辺にお住まいで、切れ痔やお尻の症状でお困りの方は、お一人で悩まず赤羽胃腸肛門クリニックにご相談ください。「痛みで便意を我慢する→便秘になる→さらに切れる」という悪循環に入る前に、お早めの受診をおすすめします。
