感染性腸炎について

感染性腸炎は、細菌やウイルスによって腸に炎症が起こる病気です。食中毒や感染症として発症することが多く、下痢や腹痛、発熱などの症状が特徴的です。
適切な治療により多くの場合で改善が期待できますが、重症化を防ぐためには早期発見・早期治療が重要ですので、気になる症状がございましたら北区赤羽にある赤羽胃腸肛門クリニックへお早めにご相談ください。
こんな症状でお困りではありませんか?
- 突然の激しい下痢が続いている
- 腹痛や腹部の不快感がある
- 吐き気や嘔吐が続く
- 38℃以上の発熱がある
- 食欲が低下している
- 便に血液や粘液が混じる
- 脱水症状が気になる
- 体がだるく、疲れやすい など
感染性腸炎の原因
食品からの感染
生や加熱不十分な食品、長時間室温で放置された食品などから、細菌やウイルスが体内に入ることで発症します。特に生肉や生魚、生卵などは注意が必要です。
人から人への感染
感染者との接触や、汚染された物を介して感染することがあります。特にノロウイルスは感染力が強く、家族内や集団での感染が起こりやすいです。
衛生環境の問題
手洗い不足や調理器具の不適切な取り扱いにより、細菌やウイルスが増殖・感染することがあります。
感染性腸炎の種類
細菌性腸炎
- サルモネラ菌:生卵や生肉から感染し、激しい腹痛と下痢が特徴
- カンピロバクター:生肉(特に鶏肉)から感染し、発熱と腹痛が主症状
- 病原性大腸菌:生肉や加熱不十分な食品から感染し、水様性下痢が特徴 など
ウイルス性腸炎
- ノロウイルス:冬季に多く、激しい嘔吐と下痢が特徴
- ロタウイルス:主に乳幼児に多く、水様性下痢が続く
- アデノウイルス:発熱と下痢が主症状 など
感染性腸炎の検査・診断
便検査
細菌培養検査や迅速検査キットにより、原因となる病原体を特定します。迅速検査は専用のキットを要するため、当クリニックでは現在行っておりません。
血液検査
炎症反応や脱水の程度を確認します。重症度の評価や治療効果の判定にも重要です。
内視鏡検査(大腸カメラ検査)
必要に応じて大腸カメラ検査を行い、腸の粘膜の状態を確認します。他の疾患との鑑別にも役立ちます。
感染性腸炎の治療
補液療法
脱水を改善するため、点滴による水分・電解質の補給を行います。特に高齢者や小児は脱水になりやすいため、早めの治療が重要です。
薬物療法
細菌性腸炎の場合は、原因菌に応じた抗生物質による治療を行います。ただし、ウイルス性腸炎には抗生物質は効果がないため、症状を和らげる対症療法が中心となります。
下痢や腹痛に対しては整腸剤や腸の動きを整える薬を使用し、吐き気が強い場合は制吐剤を使用します。また、腸内環境を整えるために乳酸菌製剤なども併用します。重症度や患者様の状態に応じて、最適な薬剤を選択いたします。
生活指導
感染性腸炎からの回復と再発予防のためには、十分な休養と水分補給が重要です。特に脱水を防ぐため、こまめな水分摂取を心がけていただきます。食事は消化の良い食品から始めて、徐々に通常の食事に戻していきます。
また、手洗いの徹底や調理器具の消毒など、適切な衛生管理についても具体的にアドバイスいたします。家族内での二次感染を防ぐために、タオルの共用を避けることや、トイレやドアノブの消毒方法についても詳しくご説明いたします。