胃炎とは?

胃炎は胃の粘膜に炎症が起きた状態です。症状や原因により「急性胃炎」と「慢性胃炎」に分類されます。急性胃炎は食べ過ぎや飲み過ぎなどが原因で起こる一時的な炎症ですが、慢性胃炎の多くはヘリコバクター・ピロリ菌(ピロリ菌)の感染が原因です。
北区赤羽にある赤羽胃腸肛門クリニックでは、内視鏡検査(胃カメラ検査)などの専門的な検査により、症状の原因を特定し、適切な治療を提供しています。
こんな症状があればご相談ください
- みぞおちが痛む
- 胃がもたれる感じがする
- 食欲が低下している
- 吐き気がある
- 胸焼けがする
- お腹が張る感じがする
- ゲップが頻繁に出る
- 食後に不快感が続く など
胃炎の種類
胃炎には以下のような種類があり、それぞれ原因や治療方法が異なります。
急性胃炎
食べ過ぎや飲み過ぎ、ストレスなどが原因で急激に起こる胃の炎症です。通常は2~3日で症状が改善しますが、適切な休養と胃に優しい食事が重要です。
慢性胃炎
主にピロリ菌の感染により、長期間にわたって胃の粘膜に炎症が続く状態です。症状が緩やかなため気づきにくく、適切な治療をしないと胃潰瘍や胃がんのリスクが高まることがあります。
萎縮性胃炎
慢性胃炎が長期間続くことで、胃の粘膜が薄くなった状態です。胃がんのリスクが高まるため、定期的な検査が重要です。
逆流性胃炎
胃酸が食道に逆流することで起こる炎症です。胸焼けや喉の違和感を伴うことが特徴です。
慢性胃炎の主な原因~ヘリコバクター・ピロリ菌~
慢性胃炎の約8割は、ピロリ菌の感染が原因とされています。ピロリ菌は胃の粘膜に感染して炎症を引き起こし、長期の感染により胃の粘膜が徐々に傷んでいきます。
ヘリコバクター・ピロリ菌とは?
ピロリ菌は、強い胃酸の中でも生存できる特殊な細菌です。胃の粘膜に感染して長期間にわたって生息して、慢性的な炎症を引き起こします。日本人の約2人に1人が感染していると言われていますが、世代によって感染率が異なり、高齢者では感染率が高く、若い世代では衛生環境の改善により感染率が低くなっています。
多くの場合、幼少期に感染し、治療をしなければ胃の中に住み続けます。ピロリ菌の感染は胃炎や胃潰瘍の原因となるだけでなく、胃がん発症のリスクを高めることもわかっています。世界保健機関(WHO)では、胃がんの約8割がピロリ菌感染を原因として起こっていると報告しており、胃がん予防の観点からも、感染が確認された場合は除菌治療を行うことが推奨されています。
ヘリコバクター・ピロリ菌の検査・診断
内視鏡を使用する検査
培養法
胃カメラ検査時に採取した胃粘膜からピロリ菌を培養する検査です。
迅速ウレアーゼ試験
胃カメラ検査時に胃粘膜を採取し、ピロリ菌が持つウレアーゼという酵素の活性を利用して診断します。その場で結果がわかり、除菌前後の判定が可能です。
組織鏡検法
採取した胃粘膜を染色して顕微鏡で直接ピロリ菌を観察します。がんや炎症の程度も同時に診断できる利点があります。
内視鏡を使用しない検査
尿素呼気試験
診断薬を服用して、服用前後の呼気を採取して検査します。痛みがなく簡単に行える検査で、精度も高いのが特徴です。当クリニックでは現在行っておりません。
血液検査(抗体検査)
血液中のピロリ菌に対する抗体を測定します。食事に関係なく検査可能ですが、除菌直後の判定には適していません。当クリニックでも検査可能です。
便中抗原検査
便の中のピロリ菌の痕跡を調べる検査です。体への負担がなく、除菌後の効果判定にも使用できます。当クリニックでも検査可能です。
ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌治療
ピロリ菌が見つかった場合、以下のような段階で除菌治療を行います。
一次除菌
抗生物質2種類と胃酸を抑える薬を1週間服用します。服用終了から4週間後に除菌判定を行います。判定のために便中抗原検査などを行い、ピロリ菌が消失したかを確認します。
二次除菌
一次除菌が失敗した場合、異なる抗生物質での治療を行います。一次除菌と同様に、服用終了から4週間後に除菌判定を実施します。
ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌は保険適用
ピロリ菌の検査や治療は健康保険が適用されますが、事前に胃カメラを受けてがんなどの疾患のないことを確認するなどの適用条件を満たす必要があります。除菌治療は2回まで保険診療が可能で、1回目の治療で70~80%、2回目までの治療で97~98%の成功率があります。2回目の治療でも除菌に成功しなかった場合は、3回目の治療を受けることができますが、その場合は自費診療となります。
なお、ピロリ菌の検査のみを希望する場合は保険適用外となり、全額自己負担となります。
保険適用の条件
- 内視鏡検査(胃カメラ検査)で慢性胃炎と診断された方
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍の方
- 胃MALTリンパ腫の方
- 早期胃がんの内視鏡治療後の方
- 特発性血小板減少性紫斑病の方