便潜血検査は大腸がんや大腸ポリープをどのくらい検出するの?|北区、板橋区、川口市で肛門科・消化器内科・内視鏡検査は赤羽胃腸肛門クリニック

コラム

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便潜血検査は大腸がんや大腸ポリープをどのくらい検出するの?

2025.05.28

「便潜血検査(べんせんけつけんさ)」は、便の中に混じった微量の血液を調べることで、大腸がんの可能性を早期にキャッチするためのスクリーニング検査です。健康診断や自治体のがん検診にも広く使われていますが、「本当にがんが見つかるの?」「ポリープもわかるの?」という声もよく聞かれます。

ここでは、便潜血検査でどのくらいの精度で大腸がんやポリープを検出できるのか、またその限界や注意点について解説します。


進行大腸がんの検出率は約60~75%

便潜血検査は、がんがある程度進行して出血を伴っている場合には、比較的高い確率で陽性(=血が混じっている)になります。
複数の報告によると、進行大腸がんの検出率は60~75%程度とされており、便潜血検査によって発見される可能性は十分にあります。さらに、1日だけの検査よりも2日間連続で検査を行う「2日法」によって、進行がんの検出率は85%以上に向上するという報告もあります。


早期大腸がんでは検出率が下がる

早期の大腸がんでは、がんが腸の粘膜にとどまり、出血の量も少ないため、便潜血検査の検出率は30~40%程度に低下します。これは、「症状がない」「見た目に変化がない」状態でもがんが進行している可能性があることを示しており、検査が陰性でも安心しすぎないことが大切です。

◆ 当クリニックの考え方
赤羽胃腸肛門クリニックでは、便潜血検査の陰性=安心とは考えていません。特に「血縁者に大腸がんの既往がある方」「便通異常や腹部不快感がある方」「年齢が50歳以上の方」などは、便潜血が陰性でも内視鏡検査をおすすめしています。


大腸ポリープは見逃されやすい

大腸ポリープも出血することがありますが、便潜血検査では約20%未満の確率でしか検出されないとされています。特に9mm以下の小さなポリープは、出血を伴わないことが多く、便潜血検査では見逃されやすい傾向にあります。便潜血検査が陰性であっても、大腸ポリープが存在する可能性は否定できません。

◆ 当クリニックでの対応
赤羽胃腸肛門クリニックでは、便潜血検査が陰性でも、ポリープが見つかるケースが多々あります。そのため、年に1回の便潜血検査だけでは不安という方には、苦痛の少ない麻酔併用の大腸カメラ(内視鏡)を提案しています。AIを併用した最新内視鏡システムにより、小さなポリープの発見率も向上しています。


便潜血検査陽性=がんではないが、放置は禁物

便潜血検査で陽性と判定されるのは、全体の5~10%程度といわれています。
そのうち、精密検査(大腸カメラなど)で実際に大腸がんと診断される割合は約2~3%です。

つまり、「陽性=がん」というわけではありませんが、逆に言えば、2~3%の方は精密検査で大腸がんが発見されているという事実もあります。便潜血陽性と判定された場合は、必ず精密検査を受けることが強く推奨されます

◆ 当院では
便潜血陽性となった方には、できるだけ早く内視鏡検査を実施するよう体制を整えています。当院は日曜日も内視鏡検査を行っており、下剤を院内で服用するスペースも完備。忙しい方にも安心して受診いただけます。


便潜血検査のメリットと限界

項目 内容
メリット ・体に負担が少なく、簡単に受けられる
・進行がんのスクリーニングに有効
限界 ・早期がんやポリープの見逃しがある
・陽性でもがんでないことが多い(痔や炎症などでも陽性になる)

まとめ:便潜血検査は40歳過ぎたら毎年受けたい。
でも「陰性=安心」ではない

  • 便潜血検査は、進行大腸がんの検出には比較的有効な検査です。しかし、早期がんやポリープの検出力は限定的であり、検査が陰性でも病気が隠れている可能性はあります。陽性となった場合には、必ず大腸カメラなどの精密検査を受けることが重要です。
  • 日本では40歳以上の方は毎年便潜血検査を受けることが推奨されていますが、より確実な早期発見を目指すには、一定の年齢以降は内視鏡検査を受けておくのが安心です。

    ◆ 最も確実なのは「内視鏡検査」です。
    当院では、AI併用の高精度内視鏡と豊富な症例実績をもとに、正確かつ安心な検査を提供しています。便潜血検査をきっかけに、必要に応じて一歩踏み込んだ検査のご案内を行うことが、がんの早期発見・早期治療につながると考えています。

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